お知らせ
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作成日:2013/11/24
ベトナム視察



私、高柳は、2013年11月にベトナム(ホーチミン)視察に行って来ました。

「目的」
今回の目的は、アジア進出をしている会社が増えていますので、その支援が社労士としてできるようになるためです。

今回視察や話しを伺った会社は以下です。
・駐在員進出支援をしている会社
・銀行
・不動産会社
・食品会社
・自動車会社
・工業団地
・職業訓練校

このレポートは、読みやすく、メリットばかりではなくデメリットのことも記載しておりますので、視察をした会社名は伏せさせて頂きます。そして、私は個人的に何か国かアジア旅行をしたことがある程度です。そのレベルで、感じたことなどを記載しておりますので、ご了承くださいませ。

「結論」
結論から申し上げますと、ベトナムはまだまだ発展途上国で期待が持てますが、まだ中小企業が進出するのは時期が早すぎます。(今は進出をしない方が良い)
なぜか・・・
私もベトナムはすごい発展していて、進出するなら早い方がいい国だろうと思って今回視察に行ってきましたが、結論は逆でした。その理由を以下に記載していきます。


「視察内容」
国土は、日本の青森〜鹿児島までくらいで、形も縦長と似ているので、日本地図をイメージして頂ければ分かりやすいと思います。日本でいう青森のハノイと、日本でいう鹿児島のホーチミンが発展しています。北部と南部で別れているため、文化や言葉も少し違うようです。(青森弁と鹿児島弁が違うようなものだと思われます)

人口は、約9000万人です。29歳以下が55%を占めており、労働力が豊富です。40.50代はベトナム戦争で戦死している背景もあります。インドネシアが一番長期間若者がいる人口構成ですが、島が多くイスラム教徒が90%です。その点、ベトナムは80%仏教なので日本と似ています。

歴史は、とても簡単に説明すると、中国の植民地が1000年。次のフランスの植民地が100年。そしてアメリカとのベトナム戦争です。フランス文化は、とても影響を受けていて、教会やオペラ劇場、ベトナム版フランス料理があります。

教会                     オペラ劇場



政治は、共産党一党独裁です。そのためか治安はとても良好です。スリなどのトラブルはありますが、タイやインドネシアであるようなテロ、射殺などはありません。

北部のハノイは、トヨタやキャノンなどのメーカーが下請けごとセットで進出しているパターンが多く、南部のホーチミンは、単独で独立して進出しているパターンが多いです。

今から27年前の1986年に、ドイモイ政策となり、それから今まで発展し続けています。

人件費は、中国、タイのバンコク、マレーシアのクアラルンプールと比べ、一番安いです。月収15000円と言われています。ただ、ホーチミンの都市部の給料はもっと高いのでは?というのが肌感覚です。iPhoneが8万円するそうですが、街中ではほとんどの方が持っていましたし、娯楽が少ないこともあり共働きが多いですが保育園が月1万円するそうです。

携帯電話とバイクの普及率は、ほぼ100%ですが、冷蔵庫40%、パソコン17%、エアコン10%、自家用車1%です。ホーチミンの年間平均気温が28度ですが、エアコンがない為、バイクで道をグルグルと走り回って涼む人もいるようです。そして冷蔵庫もまだ40%しか普及していないので、食材の保存ができません。そのため、3食とも自炊せずに外食する場合が多いようです。(共働きしていることも外食率を高めています)この普及率を見ると、これからも発展していく可能性が分かります。

インフラは、まだまだです。橋もまだ足りず、鉄道がなく(地下鉄を工事中)、水道も悪い状況です。インフラが整っていないことが、まだ進出をしない方がいい理由の一つでもあります。鉄道がないので、移動手段はバイクになってしまうため、上記のバイク普及率が100%です。舗装されている道も多くはなく、ホーチミンの都市部ですら歩いていると砂埃が多く、目にゴミが入ったり、マスクを付けたくなります。慣れているはずのベトナム人ですらマスクをしています。そのマスクも、写真にあるように布マスクです。日本のように使い捨てではありません。それだけ物資が足りないのかな?とも思いました。



日系企業の進出として、先程トヨタやキャノンなどのメーカーが進出しているのは、記載しましたが、小売事業としては、ファミリーマート、高島屋などが参入予定です。しかし、韓国企業はすでにたくさん進出しており(ロッテマートなど多数)、日本は出遅れております。

電力は、改善されてきておりますが、まだまだ不足しております。工業団地に入る際も自家発電できるかどうかが重要ですし、事務所を借りる場合でも、自家発電できる物件かどうかが重要です。以下に記載する食品会社も1ヶ月に2.3回停電していたそうです。(現在は少なくなってきている)もうすぐ原子力発電所もできる予定ですので、今後は期待できそうです。電力不足なのも、まだ進出しない方がいい理由です。

ベトナムに進出するにあたり、そこを任せる日本人従業員の生活の中で、病院施設も重要です。ベトナムの病院施設はあまり良くありません。内科はまだ許せるレベルのようですが、外科は盲腸の手術もできないレベルです。その時はどうするのか。。。飛行機でタイに行って、治療を受けるそうです。ご家族を連れてベトナムで勤務する際はとても不便です。ですので、医療保険は重要です。治療代がなければ、飛行機に乗ることも、救急車に乗ることすらできない国です。

識字率は、90%以上です。カンボジアやラオスが70%ですので、とても高いです。ただ大学は都市部にしかなく、進学率は15%程度です。管理職候補の人材が見つけにくいです。

現地での原材料・部品の調達率が28%しかありません。これもまだベトナムに進出しない方が理由です。中国は60%、タイは53%、インドネシア・マレーシアは43%です。例えば、タイとベトナムで車生産を比較すると、タイは工場労働者の月収が30000円で、ベトナムは15000円とベトナムの方が安いにもかかわらず、現地調達とインフラ、物流制度が整っているタイの方が安く生産ができてしまいます。(トヨタなど下請けから全て進出している場合は現地調達ができるので違います)「人件費が安いところに進出すればいい」わけではないんですね。ただ、バイクは90%現地調達できるようです。

進出するにあたって、人件費・現地調達率・インフラ・物流が大切という話はさせて頂きましたが、もう一つ、行政手続きの問題があります。ベトナムは、それが他国と比べて大変煩雑です。他国の中で1番煩雑なんです。法制度の未整備な部分も多いですし不透明な部分も多いです。政策も曖昧で、税務手続きも煩雑です。この負担も、まだ進出しない方がいい理由です。

不動産は、2011年から建設が増え物件が増えたため賃料は下がってきてはいるものの、ASEANの中ではもっとも高いです。タイよりも高いです。Aグレードで31500円/m(名古屋駅付近と同じくらい)、Bグレードで19500円/m。日本企業が進出できそうなところは、AグレードとBグレードしかない状況です。小さい面積での物件が少なく、レンタルオフィスがあるので、それを契約する場合もあるそうです。
自宅物件も下がってはきていますが、建設レベルが低い為、築1年にも関わらず雨漏りがする場合もあります。
工業団地は全部で約300あります。価格差はほぼなく、安定しています。選ぶポイントとして一番良いのは、すでに日系企業が入居しているところを選ぶことです。安いところを選んでも、逆に物流コストがかかったり人材を確保できない場合があるので、賃料が安いから好条件ということではありません。転職率が高いのですが、転職理由として「通勤時間を短くしたいから」というのが80%です。就職する前に通勤時間は分かっているにもかかわたずこの理由で辞めていきます。背景として、退社後、英語の学校に行ったりと勉強をする人が多いため、どうしてもそのスクールがホーチミンに集中しているのでホーチミンに近い職場に転勤したいというのがあります。(大学進学率が低い分、勉強熱心なのでしょうか?)ただ、ホーチミン近くの工業団地は空きがなく、通勤が1時間〜1時間半以上のところしか物件がありません。地盤沈下をしているところもありますし、遠いと従業員の為にシャトルバスを出しているところもあります。日本人もホーチミンに住むので、日本人ですらバイクで1時間〜1時間半以上かけて通勤している人もいます。

視察させて頂いた食品会社は、売上を大変伸ばしていました。日本での売り上げと匹敵するくらいベトナムで売り上げを上げています。日本では100%機械化のところ、ベトナムではまだ80%しか機械化していませんでした。その理由は、人件費が安いためです。機械を導入するよりも安いそうです。味もベトナムに合わせてありました。ただ、個人的感想ですが、「食品」という分野だからこそ成功したのかなと思います。次に伺った自動車会社は活気がなかったので。。。

視察させて頂いた自動車会社は、日本から材料を輸入してベトナムで組立をしています。関税の関係で、日本から完成車を持ち込むよりも、ベトナムで組み立てた方が安いからです。組立は、日本では全て機械化のところ、ベトナムでは「全て」手作業で行っています。人件費が安いためです。ただ、ベトナムではバイクは普及率100%と売れていますが、自動車は普及率がまだ1%と売れていません。ですので、ここの会社の1日の組立数はたった15台です。たった15台ですよ?!ただ、たった15台ですら完成車を持ち込むよりもベトナムで組立てた方が安いそうです。その15台を87人の労働者で組立をしているそうです。政府がインフラ、物流を「進める、進める」と言っているにもかかわらず、全然進めないことが普及しない原因のようです。そして、自家用車は月収が10万以上にならないと購入しないと言われているそうです。まだ15000円なので、購入できる状況ではないんですね。1年半前に個人的にホーチミン旅行に行っておりますが、都市部ですら全く変わっていませんでした。例えば、東京であれば1年半もの間で、新しいビルが建ったり、ショッピングビルや新しい飲食店がオープンしますが、それはホーチミンには一切なかったです。それを踏まえると、政策が悪く発展途上国にもかかわらず、何も進んでいない国のようです。これも、まだ進出しない方がいい理由です。この会社の社長にもお話を伺えましたが、社長から「なぜ今回視察先をベトナムにされたのですか?!日本のニュースでベトナムは活気があると報道されていますが、実際は違いますよ?!」というとても本音の言葉を頂きました。



工業団地を視察しに行って来ました。

工業団地の入り口です。↓



この広さで、月約35万円程度です。↓



現在建設中です。来年2月完成予定らしいですが、間に合うのでしょうか。そしてこの造りは不安ですね。地震がないので日本のようにしっかり造らなくてもいいのでしょうが。↓




やはり、出勤はバイクのようです。↓







職業訓練校に視察に行って来ました。

綺麗な校舎です。↓





配線など勉強しています。↓






日本語の授業があります。↓

卒業生は主に、韓国・中国企業に就職しているそうです。日本はまだ進出している企業が少ないためです。そして、授業の中に韓国語・中国語はないのに、日本語だけあります。韓国・中国企業であれば、英語でOKですが、日本企業だと日本語を使用することになるからです。この点でも日本は遅れを取っております。授業料は、月5000円だそうです。平均月収が15000円のことを考えると、裕福な家庭の子しか通っていないのでしょう。




「まとめ」
今回一番勉強になったのが、「ベトナムはまだ進出するには早い」ということです。ベトナムの政策が整い、中小企業が進出できる状況に早く発展してほしいと思います。
 
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